カロリーとジュール

一般的な加工食品には、食品成分表が書かれています。みなさんは見たことがありますか?

これは、乾燥うどんの食品表示として記載されていた栄養成分表示です。

健康増進法に基づいて記載されています

  

みなさんの注目の的は「エネルギー」でしょうか?エネルギーだの熱量というと、わかりにくいですが、「カロリー」というと、すぐにわかるかもしれません。農水省や厚労省でも、一般の人に対する呼びかけをする時に「カロリー」とそのまま表現していることがあります。「カロリー」は、「1グラムの水を1気圧のもとで1℃上昇させるのに必要な熱量」です。実際には、その程度の熱量ですととても小さいので、kcal(キロカロリー)が一般的です。
Cal(大【だい】カロリー)という表記もみたことがありますか?「1キログラムの水を1気圧のもとで0℃から1℃に上昇させる熱量」がCalです。1kcalも1Calも似たようなものですが、定義が違うので区別されています。USAではCal表記も多く、EU圏内はkcalとKJを併記しています。JPNはkcal単独表記が多いですね。食品成分表は併記されています。

でも、理科の教科書では熱量を計算するのに「カロリー」は使いません。国際(SI)単位で統一しよう、ということになった時に、熱の単位は「J(ジュール)」になりました。1ジュールの定義は「1ニュートン(N)の力でそのむきに1m動かすエネルギー量もしくは仕事量」です。1ジュールは0.24calですから、下記のようになります。

1kcal=4.184J

じゃあ、1ニュートンって?仕事って?

1ニュートン(N)はアイザック・ニュートンにちなんでつけられた単位で、「1kgの質量を持つ物体に1メートル毎秒毎秒の加速度を生じさせる力の大きさ」です。仕事(量)は物理の(熱)力学の話で、職業や家事のように「しないといけないこと」を指し示すものではありません。「物体が力の作用を受けながら移動する時、移動方向の力と距離の内積の量」です。

物理や化学では、さまざまな熱エネルギーを考えるので、KJが一般的です。上の定義からもわかりますが、ジュールは水温の上昇に必要な熱量は温度状態によって異なるのと、必ずしも水温上昇にかかわる熱エネルギーを示していないので、ジュールが使いやすいのです。

一方、食物の熱量は、カロリーメーターで量ります。カロリーメーターは爆発熱量計で、15℃付近で試料を燃やし、その熱エネルギーでどれだけ水の水温上昇があるかを実測して熱量を計算する装置です。したがって、calでも定義から考えて悪くないことがわかります。また、calは大変よく普及している単位ですから、定義そのものはわかっていなくても、自分たちが1日でどれくらいカロリーを必要とするのか、ダイエットするためにケーキをわらび餅に変えるとどれくらいカロリーが減るか、というように、使っています。

教科では、家庭科でcal表記になっています。理科はジュールです。ただ、同じものをさしていますから、理科を生活に還元しやすくするためには、ジュールの例の一つとして加工食品に記載されている熱量の話をするといいのかな? 逆に、家庭科では食品成分表を例に挙げて、KJ(キロジュール)もあることを伝えた方が理科につながりやすいと思います。

K.ioku


Loading

  • お問い合せ
  • RSS
  • 検索ページ
  • 安全教育
  • 教育・研究
  • 附属学校園
  • 著作権について
  • リンク