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担当者
川村三志夫
問い合わせ先
kawamura@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
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領域
基礎科学(教科の基礎、発展的学習)
教材の形式
実験・実習, トピックス、発展的学習
研修、講座、授業
教員研修(小中高) 科学クラブなど(小中高) 公開講座(地域、一般)
教科、科目

葉脈しおりの作成

 

1.はじめに

 植物の葉は、硬いクチクラ層で覆われた表皮、内部の柔らかい葉肉細胞、その間を走る葉脈で出来ています。葉脈は、道管と師管が束になった維管束とよばれる構造物です。双子葉植物の葉脈は、葉柄から葉の先端部へと続く主脈、主脈から枝分かれした側脈、さらに枝分かれをした細脈といった具合に、葉の中を網状に広がっています(左図)。維管束は動物の血管と同じように養分や水を植物の組織や細胞に運ぶ役割を担っています。根から吸い上げた水や養分は道管を通って葉に届き、葉でできた養分は、師管を通って他の組織に送られます。本講習では、葉から表皮や葉肉を取り除いた葉脈標本をつくり、葉脈が葉の中をどのように走っているのかを観察し、さらには、葉脈のしおりを作ります。

 

2.葉脈標本の作り方

●サザンカ、ツバキ、ヒイラギなどの照葉樹の硬い葉を用意します。

 ●1リットル容量のビーカーに10%水酸化ナトリウム溶液を約300 ml入れて火にかけ、沸騰したら葉を加えます。

●中火で10分程度加熱し、葉の色が黒ずんで柔らかくなったら火を止めます。

●ガラス棒で撹拌しながら30%クエン酸溶液を徐々に加えてアルカリを中和します。溶液の色が顕著に変化したら中和点なのでクエン酸の添加を止めます。

●葉をピンセットで取り出すか、ざるで濾して水を張ったバットに移します。

●各自のバットに葉を取り、絵筆を使って葉脈が切れないよう注意しながら葉肉を取り除きます(葉によって手加減が異なる)。

●葉肉がきれいに除けて葉脈だけになったらペーパータオルなどで軽く水分を取り、ルーペで葉脈が網の目のように葉の隅々まで行き渡っている様子を観察します。

3.葉脈のしおりの作製

 葉脈だけになった葉は、まるでレース編みのような自然界の芸術品です。よく、台紙に貼ってしおりにして土産物店で売られています。ここでは、パウチを使って皆さんのオリジナルなしおりを作ってみましょう。

 できた葉脈標本をキッチンハイターを適当に薄めた溶液にしばらく浸けて漂白します。真っ白にはなりませんが、薄黄色くなった時点で良く水洗いし漂白剤を落とします。これをペーパータオルにはさんで水分を除き、ヘアードライヤーでよく乾かします(水分が残っているとパウチに失敗します)。ペーパータオルを下に敷き、上からポスターカラーや蛍光ペンで叩くようにして色を付けます。再度ドライヤーで良く乾かし、パウチします。葉脈を台紙に乗せてパウチしたり、パウチの上部に穴を開けてリボンを付けたり、工夫次第で楽しいしおりが作れます。

 

注意事項

 水酸化ナトリウム溶液は、強アルカリ性ですので取り扱いに注意しましょう。作業は白衣や作業着を着て行い、加熱時には、沸騰により飛沫が飛び散らないように火加減をこまめにしましょう。皮膚に付いたらすぐに水道水で良く洗ってください。万一、目に入ったらすぐに目を良く洗い、眼科で診察を受けて下さい

 水酸化ナトリウム溶液をクエン酸で中和した後は安全ですので、固形物を除けば下水に流せます。クエン酸を使わない場合は、煮た葉はさわっても指がぬるぬるしなくなるまで十分水洗いしてアルカリ分を落として下さい。アルカリ廃液は、廃棄する前に塩酸等で中和する必要があります。