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担当者
片桐昌直
問い合わせ先
katagiri@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
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領域
基礎科学(教科の基礎、発展的学習)
教材の形式
実験・実習, 授業のヒント, トピックス、発展的学習
研修、講座、授業
教科、科目

消化ってなんだろう

 この実験「消化って何だろう」の実験の趣旨は、主に以下の点ですが、その他細かい点については、実験の際にお話します。

  1. 身近な化学反応である「消化」を、目の前で見ることで関心を持ってもらう。
  2. 教科書に出ている事項を別の角度で見てもらう。
  3. 家庭でも出来る実験を入れている。
  4. お腹を冷やすことが悪いことやこんにゃくゼリーなどの身近な話題も結び付けられる。

 ヒトは、食べ物を食べると、口の中でよくかみ細かくくだき、さらにおなか(胃や腸)の中では、食べ物を分子という、目に見えないぐらいのとても細かいレベルまで細かくくだいて、栄養として吸収しています。これが消化です。つまり「消化」という化学変化がおなかの中でおきているのです。でもそのようすはわかりません。そこで今日は、おなかの中で起きている化学変化を、そとに取り出して目の前で見てみます。

[1]ゼリーを消化してみよう。

  • ゼリーの元もとであるゼラチンというたんぱく質(肉と同じようなものです。)5gを、100mlビーカーの中の40mlの水に入れて、ホットプレーとの上でかきまぜとかします。これを軍手を使い、氷中のおかしを作るときのアルミの入れもの2個に分けて入れます。しばらくすると固かたまります。
  • 固かたまったゼリーを、アルミを取りそれぞれチャック付きの小さなビニール袋に入れ、ふくろの上から指でかるく押しつぶします。これを2つ作ります。--口の中でかむのとおなじです。
  • 同時に、こんにゃくゼリー1個を、ビニール袋に入れて、同じようにふくろの上から指でかるく押しつぶします。
  • ゼリーは小さくなりますが、つぶつぶがのこります。また、こんにゃくゼリーは、なかなか切れずにのびる感じです。そこで、それぞれ3つの袋に消化酵素(これは、実際にぶたの胃の中で消化を助けているもの(ペプシン)【和光純薬工業(株)、 ペプシン1:10000, ブタ胃粘膜由来、25g、¥3,500】で、ヒトの胃からも出ているものです。)を、薬さじで一ぱい入れて、ゼリーのひとつとこんにゃくゼリーは手であたためて(健康な時の、37度の体温です。)、もうひとつのゼリーの袋は氷水の上へ置いておいコメントてみます(冷たいものを飲みすぎた時と同じです)。10分後にそれぞれの袋の中をくらべてみてください。どうなったでしょう。また、氷の上のものも手で暖めてみて下さい、どうなるでしょう。
■コメント

 同じゼリーでも、普通のゼリーは、タンパク質である変性コラーゲンであり、こんにゃくゼリーは、多糖類であるマンナンです。消化の後、袋を逆さまにすると違いがよくわかります。またこの実験では、もむ(ぜん動運動)より、暖めること(温度)がよく効きます。使用するペプシンは、豚胃粘膜からある程度精製されたものです。)

 

[2]おさかなを消化してみよう。

  • シーチキン(マグロ肉)をさじに2杯とり、チャック付きの小さなビニール袋に入れてください。これを2つ作ります。
  • さらにそれぞれ人工胃液【ここでは希塩酸を使用】をスポイドで約2ml入れます。
  • これに、先ほどと違う消化酵素(パパイン)【和光純薬工業(株)、パパイン、25g、\1, 890】の粉を一さじ、一方のみに入れ、それぞれ手で暖あたためながらお肉をつぶすようにしてみて下さい。それぞれのお肉はどうなりましたか?【肉が溶けていくには少し時間が掛かります、約10分程度です。指でつぶしても繊維が残りますが、それも見事に、完全に溶けていきます。】
  • 入れた酵素は、くだもののパパイヤから採ったもので、パパインといいます。お肉とくだもののパイナップルをいっしょに食べることがありますが、これも同じことで消化を助けるためにちょうどいいのです。
■コメント

前の実験に比べ、ちょっと時間がかかりますが、最終的にはすべて水のようになります。先ほどの実験の酵素もそうですが、酵素の特異性により、完全にアミノ酸になるわけではありません。

 

[3]でんぷんを消化してみよう。

 最後に、消化を助たすけるおなかのおくすり(消化剤)を使って、実際じっさいにでんぷん(うどん、主に小麦粉)を消化してみましょう。でんぷんを消化すると糖とうになります。あの甘い砂糖の一種です。人は、うどんやお米などのでんぷんを食べて消化し、糖にして体の中に元気の元(エネルギー)として蓄ているのです。

  • まず強力わかもと300錠web特価 950円などの消化のためのおくすりを2つぶを、乳鉢で粉にします。
  • うどん4,5cm程度をわりばしで切って、それぞれ別のビニール袋に入れ、それぞれ人工胃液をスポイドで約2ml入れ、指でよくのばす様にしてつぶして下さい。
  • そこに、イソジンを3滴程度、それぞれたらして下さい。真っ黒に成りましたね。これは、ヨウ素デンプン反応ですね。
  • 一方には、先ほどつぶしたわかもとの粉を入れて、手でよく暖めてください。少しずつヨウ素デンプン反応の色が消えて行きます。
  • 色が消えた来ら、色が消えたところを尿試験紙に着けてみてください。色はかわりましたか。糖が出来ていれば緑色になります。
  • (尿試験紙は、尿中の糖を色の変化でみることが出来る試験紙です。健康診断の時に使われます)

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  • 尿試験紙には、グルコースオキシダーゼと言う酵素が塗ってあります。この酵素が糖をさらに分解し、その時の反応を色の変化として見ています。
■コメント

 ヨウ素反応を逆に使っています。うどんでは、デンプンだけではなくタンパク質「グルテン」を含んでいます。なお、ワカマツにもアミラーゼ(デンプンの分解酵素とタンパク質分解酵素も含んでいます。

橋架け補強された3重らせん構造をもつ丈夫なタンパク質

コンニャクグルコマンナン構造式コンニャクグルコマンナン構造式

グルコース(G)とマンノース(M)が結合しています。

 

 

 

 

でんぷん(アミロース)構造式でんぷん(アミロース)構造式

グルコース(G)が結合しています。