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担当者
有賀正裕
問い合わせ先
ariga@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
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領域
応用科学(ものづくり、暮らし、あそび、エネルギー、環境、防災など)
教材の形式
実験・実習, トピックス、発展的学習
研修、講座、授業
教員研修(小中高) 科学クラブなど(小中高) 公開講座(地域、一般)
教科、科目

竹ひご電球を製作-エジソンの気分で?-

 発明王として有名なエジソンが電球(白熱球)をはじめて作ったころは,フィラメントを何でつくるか苦労をしたそうです.そのフィラメントとして,いろいろと試みたうちの一つに,京都の南にある,石清水八幡宮(いししみずはちまんぐう)の境内の竹を取りよせ,むし焼きにしたフィラメントが良い結果をもとらしたことは有名な話です.石清水八幡宮にその記念碑が立っています.機会があれば一度たずねてみてください.今回はこの故事にちなんで,竹ひごをむし焼き(乾留といいます)してフィラメントを作り電球を作ります1)

実験

  1. フィラメント作り
    フィラメント作り(アルミホイルでまいた竹ひご・ガスバーナー)竹ひご2)をやく2cm に切り,料理用のアルミニウムホイル(4cm四方ぐらい)でくるくるとまき,両端を閉じる.アルミニウムホイルの端をピンセットではさみコンロの火で加熱する3).軽く閉じた端から煙が出てくるがしばらくしてその端に火を近づけると炎を上げて燃えます.アルミホイルが赤黒くとけそうになるが,全体を1分ほど加熱したら火を止め,手で触れることができるようになれば,注意深くアルミニウムホイルをはがす,黒い炭が出てくるがこれがフィラメントになります.この時フィラメントはもとに比べると細く短くなっています4)
  2. 電球の用意
    電球の写真フィラメントを取り付ける装置と電球の外側の用意をします。ステンレス針金(約12cm)の一方の端をラジオペンチで小さな丸(丸の穴の大きさが2mm以下)とします。あとからこの小さな丸にフィラメントをとりつけます。2本同じものを作ります。コルク栓の中央にピンをさし込み、穴をあけます.さらに上下から何度か千枚通しをさし込み,穴のあいていることがわかるようにします。その次に、その穴の両側にピンを差し込み小さな穴をあけ、その穴に先ほど作った針金をコルク栓の下から差し込みます。コルク栓から下に丸のある方が8cmほどにして,針金のはしをペンチではさんで曲げて、2本の針金がコルクの反対側になるようコルク栓の横に差し込みます。
  3. 電線との接続
    電気コードのはしの被覆材をニッパ−を用いて、やく3cmはがして線をだし,先ほどの針金の部分それぞれにつなぎます。もう一方のはしもおなじように線をだします。
  4. フィラメントのとり付け
    いよいよフィラメントのとり付けです。2本の針金の小さな輪を向かい合うように調節して,先ほど作ったフィラメントをはさみこみます。あまりゆるいとうまく光りませんが,フィラメントがすぐに折れてしまいますので注意深くしなければなりません。こうしてうまくできた部品をペットボトルにとり付けます。
    電球をペットボトルに取り付けた写真        なす形フラスコ、ゴム栓、コックを用いて 中を減圧にして長時間光るようにした竹ひご電球の図
  5. 電球の完成,電球が光るでしょうか
    手でさげられるように電球ペットボトルの首にひもをつけます。さあ,いよいよ電球が光るかどうかです。電線のもういっぽうのはしを電圧調整器(スライダック)あるいは乾電池を8個から10個つないだ乾電池ケースに接続します。スライダックをゆっくりと動かし10ボルトの電圧がかかるように調節してください。フィラメント全体が赤くなり,ほのかに明るく照らすようになれば成功です6)

注意と説明

  1. ここで作った電球は,家庭のコンセントでは電気が大量に流れて非常に危険です。
  2. エジソンがつくった竹フィラメントは、ずっと細く長いものをゆっくりと、乾留したものですが、装置のないところで短時間では作ることはむずかしいものです。
  3. 途中でアルミホイルを持つ位置を変えることにより均一に加熱ができます。ガスバ−ナ-だとほぼ1分,アルコ−ルランプでほぼ2分が目安です。加熱の仕方により乾留の炭化程度が変わりますので,何度か試してみる必要があるかも知れません。
  4. 竹ひごの乾留でできた黒いかたまりは,主に炭素からできています。この炭素は適当に電気を通し,フィラメントとして利用することができます。フィラメントは電気を通しますが,電線のように良く通すのではなく,適当な抵抗を示します。たとえば,普通家庭での100ワット電球ですと100Ωの抵抗があります。今回の竹ひごでつくったフィラメントの抵抗は乾留の温度と時間により40〜300Ωとおおきく変わり,このまま100Vの電圧をかけると,ものすごく明るく輝き,熱も高くなり危険なこともあります。
  5. 電球の中を真空にするともっと長く光ります。電球の中を真空にするのは,空気があると,フィラメントがすぐに燃えてしまうためです。本当の電球は真空にしたあと,フィラメントの昇華防止のためアルゴンなどの不活性気体を少し入れてあります。
  6. 点灯しないからといってむやみに電圧を上げないようにしてください。20V以上に電圧を上げてもつかない時は,多くの場合,乾留温度が低くフィラメントの抵抗が大きすぎるため電気が流れにくくなっています。もう一度フィラメントをつくり直してください。