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担当者
越桐國雄
問い合わせ先
koshi@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
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物理分野プログラム 理科教育講座
領域
基礎科学(教科の基礎、発展的学習)
教材の形式
動画、画像, 実験・実習
研修、講座、授業
学校授業(小中高)
教科、科目

【小専理科物理分野】「振り子の運動」

【対 象】 小学校第5学年

【学習指導要領】 小学校5年理科 A 物質・エネルギー(2)振り子の運動

【目的・ねらい】

 力学の基礎となる「周期運動」の概念の導入となる現象を体感する。初等的な力学で現れる典型的な運動は,等速直線運動,等加速運動,その組み合わせとしての放物運動などの非周期的運動と,等速円運動,調和振動(単振動)などの周期的運動に分けることができる。周期的運動は,宇宙における銀河系の運動から,地球や月の自転や公転,ブランコや柱時計などの往復運動,あるいは原子や光などミクロな世界における振動など,自然界の様々なスケールで非常に重要な役割を果たしている。
 ここでは,その基礎となる振り子の運動から,周期運動の規則性とそれに関係する物理量の関係を定量的な測定を通じて明らかにし,単振り子の周期が振り子の長さだけで決まることを理解する。

【原理の説明】 

 一定の長さの糸に錘をつけて,糸の一端を固定して糸を張った状態で錘を鉛直下方からずらして手を離すと,錘は周期的な往復運動をする。これが単振り子である。糸の質量を無視すると,この振り子を特徴づける物理量は,(1) 振り子の長さ(支点から錘の重心までの距離),(2) おもりの重さ(錘の質量),(3) 振り子の振れ幅(鉛直線から計った最大振幅)の3つである。振れ幅が大きくない場合は,この振り子の運動は単振動(調和振動)で近似することができる。また,その振動の周期は,振り子の長さの平方根に比例する。比例定数は約2[s/√m]であり,周期は1mの振り子で2秒,0.5mの振り子で1.4秒,0.25mの振り子で1秒となる。
 単振り子の周期は最大振幅を含む楕円積分で表現されるが,振幅が小さい場合には近似的に最大振幅に依存しないことがわかる。

【材料・器具】 

 スタンド,プラスチック錘(10g×2),糸,目玉クリップ,ゼムクリップ,はさみ,メジャー,ストップウォッチ

【実験手順】

(1) ゼムクリップに糸を結んでおよそ1mの長さでカットする。
(2) 机の上でゼムクリップに錘を付けて糸を引き,錘の重心から計った支点までの
  振り子の長さが50cmになるように支点の目玉クリップの位置を調整する。
(3) スタンドを机の端に置いて,スタンドの大クリップに目玉クリップを取り付ける。
(4) 振り子がたるまないようにして,支点から下ろした鉛直線から10cmの位置に
  錘を引っ張って静かに手を離す。支点の鉛直下方にメジャーの0点をあわせておく。
(5) 振り子の手を離した瞬間にストップウォッチをスタートさせ,振動した回数を数える。
(6) 10往復して最初に位置に戻ってきたところでストップウォッチを止める。
(7) この測定セットによる時間測定を3回繰り返して行ってその平均を求め,これから周期を得る。
(8) 上記の測定を基準として条件を1つだけ変えた測定セットから周期を求める。
  (a) 錘だけ20gにする
  (b) 振幅だけ20cmにする
  (c) 振り子の長さだけ1mにする
(9) 上記の結果を表にまとめて,これからどんなことがいえるかを整理する。
(10) この結論を利用して,周期が1秒になる振り子を作ってみる。

【ポイント】

☆糸がねじれて余分の回転運動をしないように,振り始めに初速度を
 与えないように,錘や糸が机やスタンドに接触しないように注意する。
☆錘を20gにするときは,ゼムクリップに10gの錘を並列につける。直列にする
 (あるいは大きさが異なる20gの錘をつける)と重心の位置が変化するので。
☆周期を測定する際の誤差を減らすには,時間計測を糸が鉛直下方にあるとき
 (錘が最大速度の位置)で行うことが望ましいが,小学生にとっての測定の
 しやすさを配慮して,多少誤差が伴うが最大振幅で錘が静止する点で行う。