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担当者
越桐國雄
問い合わせ先
koshi@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
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物理分野プログラム 理科教育講座
領域
基礎科学(教科の基礎、発展的学習)
教材の形式
動画、画像, 実験・実習
研修、講座、授業
学校授業(小中高)
教科、科目

【小専理科物理分野】「風やゴムの働き」ゴムの働き

【対 象】 小学校第3学年

【学習指導要領】 小学校3年理科 A 物質・エネルギー(2)風やゴムの働き

【目的・ねらい】

 力学の基礎となる「力」の概念の導入となる現象を体感する。力の働きは,(1) 物体の形を変えること,(2) 物体の運動の様子(速さ・向き)を変えること,の2つに整理される。力は2つの物体の間で相互に働くことから(作用反作用の法則),物体の形が変化したり,物体の運動の様子が変化する場合には,物体と相互作用している相手の物体に対して力を及ぼしていることになる。このことを風が物体に及ぼす力や変形したゴムが物体に及ぼす力によって定性的に体得する。

【原理の説明】 
 ここでは,発射台に取り付けたゴムに引っかけられた段ボール台車の運動を確かめる。手で台車を引っ張ると,ゴムにも力が加わって変形する(伸びる)。この力はゴムに対して「仕事(力×変位)」をしており,その結果ゴムに変形による位置エネルギー(弾性エネルギー)が蓄積する。その後,引っ張る力を取り去ってゴムの変形が元にもどる際に,蓄積されたゴムの弾性エネルギーの変化が台車に対して力を及ぼし,最初に止まっていた台車の速さが変化することになる。
 台車がゴムから離れた後は,ゴムは台車に力を及ぼしていないことに注意する必要がある。もし台車と床の摩擦,車軸と台車の摩擦,空気の抵抗などがなければ,台車は一定の速度で運動を続ける。現実には運動を妨げる(運動エネルギーを散逸させる)様々な要因があるため,台車の速度は減少しやがて静止する。静止するまでの距離は台車が当初持っていた運動エネルギー(=弾性エネルギー)におよそ比例すると考えられる(運動を妨げる抵抗の力が一定であると近似した場合)。

【材料・器具】 段ボール台車,つまようじ,輪ゴム、工作用紙、はさみ,メジャー,クリアテープ
【実験手順】
(1) 工作用紙を6cm×30cmにカットし,長辺に沿って左右の端から1cmを方眼面に対して山折りにする。
(2) 上記の短辺に2ヶ所切り込みをいれて輪ゴムを取り付け,台車の発射台とする。
(3) 段ボール台車の前車輪付近の中央部につま楊枝を斜めにさしてクリアテープで固定し,輪ゴムのフックを作る。
(4) 発射台の輪ゴムを段ボール台車のフックに引っかけて,机の上に水平に置く。
(5) 台車の後端を指で持って引き静かに離して台車を走らせる。方眼紙の目盛りで引っ張った長さを見ておく。
(6) このとき,机の上で台車の進行方向にそってメジャーを伸ばして進んだ距離を計る。
(7) 台車を引っ張った距離(≒ゴムの伸びた長さ) と台車の進んだ距離を表にまとめる。
【ポイント】
☆つまようじを台車に差すところは危険なので特に注意する。ダブルクリップを台車の先頭に
 つけて,これに輪ゴムを引っかけるてもよいが,少し工夫しないとゴムがひっかかってしまう。
☆ゴムの本数やひっぱる長さと台車の進んだ距離の関係はかならずしもきれいな比例関係に
 ならないので,あまり定量的な比較について意識しないほうがよいと思われる。
☆台車が進む距離がゴムの力によることを強調することで,「物体が運動を続けるためには
 力を加え続けることが必要である」という誤概念に結びつかないようにする。
 そのためにはゴムの弾性的復元力を利用した様々な動くおもちゃを製作するような
 活動のほうが望ましいかもしれない。